近年注目を集めているインプラント治療は、失った歯の機能を回復させる補綴(ほてつ)治療の中でも最新の治療法。歯を失った顎の骨に人工歯根(インプラント)を直接埋め込み、その上に人工歯を取りつけます。人工歯根は顎の骨としっかり結合する、生体親和性の高い金属「チタン」でできています。また上部に取りつける人工歯は、天然歯のような美しさを持つセラミック製。自然な見た目としっかりとした噛み心地が手に入ります。
外科手術が必要で、自費診療となりますが、入れ歯やブリッジよりも多くのメリットがあるため、治療を希望される方が増えています。当院では、安心・安全なインプラント治療を行っています。関心がある方、治療をご希望の方は、ぜひ一度ご相談ください。
- 自分の歯で噛むような食事が楽しめる
- 見た目が自然で治療したことがわからない
- 周囲の歯を支えとしないため負担が少ない
- 使用時に違和感がない
- 金属アレルギーの心配が少ない
1.歯肉を切開する | 2.骨にドリルで穴を開ける | 3.インプラント埋入 |
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インプラントを埋入する部分の歯肉を切開します。 | 顎の骨に、インプラントを埋入するための穴を開けます。 | ドリルで開けた穴に、チタン製のインプラントを埋め込みます。 |
4.骨との結合を待つ | 5.歯の土台を入れる | 6.人工歯の装着 |
切開した歯肉を縫合し、インプラントと骨が結合するのを待ちます。 | インプラントと骨の結合が確認できたら、再度歯肉を切開し、人工歯を装着するための土台(連結部分)を取りつけます。 | 切開した歯ぐきの治癒を確認し、上部に人工歯を取りつけて完成です。 |
インプラントの破損
インプラントは、人工歯根・土台(連結部分)・人工歯の3つの部品で成り立っており、天然歯にある歯根膜(クッション)がありません。そのため強く噛みすぎるといずれかの部品が破損してしまうことがあります。そして、部品が1つでも破損してしまうと、他の部品にも不具合が生じます。
【対策】インプラントの種類や部位によって対策は異なります。複合的に不具合がある場合は、状況に応じて部品の除去や交換が必要です。
- 人工歯根の破損……インプラントの除去を行います。除去が難しい場合は、そのまま
温存して別の対策を考える必要があります。 - 連結部分の破損……新しい連結部分に交換します。
- 人工歯の破損………新しい人工歯に交換します。
見た目が悪い
インプラントを埋入する顎の骨や歯肉が痩せていると、希望した通りの見た目にならないことがあります。
【対策】痩せている顎の骨を増やす治療を行います。また、人工歯の形を調整することで解決することがあります。ただし、重度歯周病の場合や、骨や歯肉が大きく失われている場合は、これらの処置でも解決できないケースがあります。
神経麻痺
インプラント埋入手術で下顎の太い神経を傷つけてしまい、麻痺が起こる可能性があります。
【対策】インプラント手術の前には、精密な検査(CT撮影など)や綿密なシミュレーションを行います。また、埋入箇所や角度をしっかり検討し、患者さん一人ひとりのお口に合わせたガイドを作製します。正確な手術計画と安全な手術ができれば、こういったトラブルは回避できます。
すでに治療後に麻痺が確認された場合の対策は、原因や症状によって異なります。状況に応じて、適切な処置を行う必要があります。
インプラント周囲炎
インプラント治療後は、歯周病と同じ症状のインプラント周囲炎を発症するリスクがあります。インプラント周辺の歯ぐきに炎症が起き、出血や膿が出るようになり、放置すると骨からインプラントが脱落することがあります。
【対策】インプラント周辺に汚れを残さず、細菌の増殖を抑える処置が必要です。治療後は毎日の丁寧な歯みがきと、歯科医院での定期検診を受けましょう。状況に応じて歯みがき指導、人工歯の修復、歯周病治療と同じお口のクリーニング、歯肉の移植なども行います。
インプラント治療では、アゴの骨に人工歯根(インプラント)を埋め込む手術を行います。アゴの骨という、目に見えない部分に対する治療計画を立てるためには、アゴの骨の状態をしっかりと把握することが欠かせません。また、アゴの骨の量や厚みが不足しているため、先に骨再生などの治療が必要になる患者さんもいらっしゃいます。それらの治療を行うためにも、やはり歯科用CTでの撮影は欠かせないのです。当院ではこの歯科用CTを導入し、安全性の高いインプラント治療を行っています。
インプラントは高度な技術が必要とされ、治療費も高額になる治療ですので、安心・安全に受けたい、信頼できる医院に頼みたいと願うのは当然のこと。これからインプラント治療を受けたいとお考えの方に、よい医院選びのポイントをご紹介します。
多ければいいというものでもありませんが、年間の症例数はひとつの目安となります。多種多様な症例を経験しているほど、満足のいく治療を受けられる可能性が高いでしょう。
インプラント治療は材料や技術の発達がめざましく、新しいものがどんどん登場しています。インプラント治療に携わるなら、新しい知識を取り入れ、研究・研鑽を重ねておく必要があります。
インプラント治療に限らず、インフォームドコンセント(説明と同意)は医療従事者として常識です。治療法のメリット・デメリット、期間や費用についてもしっかりと説明がある医院を選びましょう。
インプラント治療後は、定期的なメインテナンスが欠かせません。また、治療後にトラブルが起きた場合、どこまでアフターケアに対応しているか事前にしっかり確認しましょう。
顎の骨がしっかりと成長した16歳くらいから治療が受けられます。年齢の上限はありませんが、80歳くらいまでの方なら治療を受けられた症例があります。ただし、心臓病や糖尿病、高血圧などの持病がある場合は、手術が受けられない場合がありますので、ご相談ください。
はい。人工歯根に用いられているチタンは腐食することもなく、金属アレルギーの心配も少ない金属です。歯科医療以外の場面では、骨折などで骨をつなぐ手術にも用いられている素材で、拒絶反応もほとんどありません。
インプラントは顎の骨としっかり結合し、固定されますので、ご自分の天然歯と同じような感覚で噛むことができます。通常の食事はもちろん、リンゴや硬めのせんべい、スルメなどもしっかり噛めます。
インプラント周囲炎を予防するための定期メインテナンスをしっかり行い、無理に硬いものを噛んで破損させることがなければ、何十年とお口の中で機能します。